読みやすさ、読後感、共感、さわやかさを重視した7つの恋愛婚活系小説・マンガコミックを紹介。
目次じゃ!
おすすめ恋愛婚活小説・マンガコミック
純愛・誠実系
☆小説『やめるときも、すこやかなるときも』(窪美澄)
※ 内容【大切な人の死を忘れられない男と、恋の仕方を知らない女。欠けた心を抱えたふたりが出会い、お互いを知らないまま、少しずつ歩み寄っていく道のり。変化し続ける人生のなかで、他者と共に生きることの温かみに触れる長編小説】
皆、本当はこういった恋愛がしたいだろうけれど『長い時間をかけて育んでいく』というのが、今の時代、難しいのかも。相手の負の部分を認め合うまでの関係はそう築けない。
☆小説『よだかの片想い』(島本理生)
※内容【顔に目立つ大きなアザがある大学院生のアイコ、二十四歳。恋や遊びからは距離を置いて生きていたが、監督の飛坂逢太と出会ったアイコは彼に恋をする。だが女性に不自由しないタイプの飛坂の気持ちがわからず、暴走したり、妄想したり…。一途な彼女の初恋の行方は!? 】
本物の恋はしようと思ってするものではなく、意志に関係なく、落ちてしまうもの、ということですね^^;
うむ、「やめるときも、すこやかなるときも」「よだかの片想い」も恋愛っていいよなあ、と思わせてくれるし、読後感もいい。現実は厳しいが、フィクションの世界くらいは……ね。
浮気・二股系
☆コミック『恋のツキ』(新田章)
※内容【平ワコ31歳、彼氏と同棲中。そんな中「運命の出会い」が…!? 結婚はしてくれそうなマンネリ彼氏か、トキメキが止まらない超タイプ(でも高校生…)か。今さら一人になる勇気もない“適齢期オンナ”は、どの恋を選べば幸せをつかめるのか!? 】
この物語は――結婚することになるだろう恋人がいるアラサ―女子が浮気するのだが、そんな主人公の浮気心が「わかる、わかる」「身につまされる」という感想(おもに女性)が多い。
けど……男性の浮気も「わかる、わかる」「仕方ないよね」にならなきゃね。つまり、お互い様^^;
一人だけに愛を誓うのは難しいものなのかも。これが現実かあ。
男性にもおすすめ。絵はとても見やすく、それでいて繊細。少女漫画風でないところがいい。どうなっていくのか、意外と先が読めない。だからこそ面白い。
ちなみに『恋のツキ』のほうは今現在、3巻まで出ている。で、ヒロインはようやくここで決断する……が、これ以上はネタバレになるので、ここまで。
☆小説『未婚30』(白岩玄)※白岩玄は「野ブタをプロデュース」の著者。
※内容【過去に大ヒット作を出したきり、売れなくなった作家の佑人。仕事は真面目にやりつつ、掃除も料理もできない編集者の里奈。30代の結婚は、好きだけじゃ無理。隠された心情をあばく、本音小説】
『未婚30』は『恋のツキ』と同じく……結婚しようとしている同棲カップル。女のほうが違う男に心を惹かれそうになり……といった話。
『恋のツキ』はまだ現時点では話は終わっておらず、まだまだ続くので、どうなるのかは分からないけれど、『未婚30』は『恋のツキ』ほど突っ走らない。読後感もいい。
そうそう、突っ走ると言えば――『恋のツキ』と同じ作家・新田章の漫画『あそびあい』(全3巻)も、いちおう紹介しておこう。
※内容【自分の欲望と快楽に素直すぎて、いろんな人とエッチしちゃう小谷さん。彼女を独占したいピュアボーイ・山下くん。そんな二人のストレンジラブストーリー】
こちらは浮気というよりも単にエッチが大好きな女子高校生のお話。
ヒロインはエッチを恋愛としての行為ではなく、単なる快楽・娯楽と捉え、いろんな人とエッチしまくる。 気持ちいいからする、それだけ。
ただ女性の場合、妊娠のリスクがあるし、性病への感染リスクも男よりは高いだろうから、男のように複数とエッチで遊ぶのは、現実的に問題がある気もするが。
『恋のツキ』に較べ「分かる、分かる度」は低いかも。つきあっている彼氏に対し、束縛を嫌い、嫉妬心・執着心・独占欲もない女子高生……ドライといえばドライ。そこまで達観している女子高生って、まあ、いないのでは。
ただ『女性(というか女子高生)が愛なしの単なるエッチに励む話』というのは新しいかもしれないが。
婚活系
☆小説『幸せ嫌い』(平安寿子)
※内容【結婚欲満々の麻美は、そこそこモテる人生を送ってきた。しかしエリート社員との婚約破棄、未婚のまま三十路を迎える。仕事も失い意気消沈の麻美は結婚相談所でアルバイトを始めるが、やってくる会員は性格に難を抱えた“結婚不可人種”ばかり。けれど他人の婚活を間近で見るうちに、麻美の結婚観にも変化が訪れる―。“結婚”の見方がきっと変わる痛快長編】
結婚相談所を舞台にしたエンタメ小説。一般の人生指南書よりいい。コメディ調なのでさくさく読める。
劇中、なかなか刺さるセリフがあった。以下『幸せ嫌い』より引用。
【人生って苦しいことの連続よ。幸せじゃないのが普通なのよ。それなのに幸せを求めるから不幸になる。不幸にならない唯一の方法は、幸せを願わないことよ】
ところで、物語とは関係ない話だけど――
婚活に励んでいる男性よりも、趣味で休日過ごす男性も意外と多いそうだ。
うん、婚活で条件を付け品定めをするようなつきあいよりも、同じ趣味の場で自然に仲良くなって、というほうがいいよな。
それは学校や職場も同じだけど、上手くいかなくなった場合を考えると、学校や職場で相手を見つけてつきあうことに二の足を踏む。学校や職場が居づらい場所になるのは困る。
けど、そんなことを考えてしまう時点で、さほど相手のことは好きではないってことなんだよなあ。
「この辺で手を打っておこうか」という打算的つきあいではなく、本当の恋愛をして、それが結婚につながるって、けっこう奇跡的なことかも。もちろん、その後の長い結婚生活が幸せかどうかはまた別の話になるけれど。
アンチ恋愛系
☆小説『恋愛嫌い』(平安寿子)
※内容【恋が苦手なんて、女子失格ですか?「恋が苦手で感情が足りないと言われる」「一人になるとほっとする」「“前向き"に反感を覚える」「諦め上手」…そんな“アンチ恋愛"体質の女性たちを描く、本音満載ガールズ小説】
女の世界は恋の話題で溢れている。でも、なじめない人間だっている。恋愛願望がなく、恋愛は苦手。そんな女性たちの本音をリアルに軽やかに描き、明日へのエールをおくる小説集――ということで、今の価値観についていけない人におすすめ。
そう、これは世間が良しとする価値観に合わない女性たちの物語。恋愛だって別にしなくていい。というか、するしないの問題でもないしなあ。心が動かないのに妥協してつきあうこともない。生き方それぞれ。こういう物語に逆にホッとする。
切ない系
こ、これは……やられた。
おまけ・余談
☆ライトノベル「トーキョークロスロード」(濱野京子)
図書館に行ったら、たまたま目につき(夏休み・少年少女図書特集でプッシュされていた)ページを開いてみたら、あとがきとして、あの『君の名は。』の新海誠監督の書評が載っていたので興味を持ち、読んでみた。
で、感想だけど――あまりドラマ性はない。物足りなかった。
登場人物は皆、いい人。安心して読めるお話。裏切りも腹黒さもない。ヒロインの女友だちも恋敵にはならず、いい関係を結んでいる。
そんなヒロインはずっと受け身。おまけに素直になれない。
対して、相手の男の子が積極的で素直。ヒロインにあしらわれても近づいてくるし、完全拒否されたにも関わらず、時を置いてヒロインにコンタクトをとる……。
ん~、そんな男子、今時めずらしいよな。しつこければ、下手すりゃ「気持ち悪い」と思われてしまうわけだし。まあ、女慣れしている自信家の男の子なら、ありえるのかな? 男子側から「イケメンに限るよな」というボヤキが聞こえてきそう。
正直言うと、受け身の女の子に都合がいいお話。少女漫画みたい。
それに、こういった恋愛物語って結局はイケメンと美人・カワイイ子が主人公。まずは容姿なんだよな。なので「あんたら勝手にすったもんだしてくれ~」と白け、醒めた目で見てしまった……。
でも、新海監督は褒めていたので、興味を持った方はぜひ。
※新海監督といえば『君の名は。』
※ほか、切ない系と恋愛系作品の紹介・書評記事。辛口なものもあり。
☆短編連作物語『これも何かの縁』もよろしく
基本、ほのぼの・コメディタッチ。たまにシリアス。夫婦、結婚、恋愛、婚活、家族、子育て、いじめ、コンプレックス、いろいろテーマあり。
※ラブラブ四条カップルのおいしい生活ぶりが見られる話はこちら↓