どっちが得?プロブロガーVSサラリーマン☆与沢翼氏VSイケハヤ氏☆橘玲氏の書籍について
オレはプロや、プロブロガー猿や~
何のこっちゃ? とおもったそこのあなたは藤子不二雄原作の『プロゴルファー猿』のアニメOPを見てください。
ということでプロを名乗っているくせにプロブロガー(ブログで稼ごうとする人)の記事ってつまらない。プロゴルファー猿はすごいけど、プロブロガー猿はすごくない。
それはなぜか、下記リンク先のコラムにも書いてあるように「読者の知識・好奇心をくすぐったり、文化や教養の匂いがするコンテンツに出会うことは稀」であり、ひたすら「どうすれば効率よく金が稼げるか」に終始し、似たり寄ったりになってしまうからだろう。そこにクリエイティブなものは感じられない。
ブログを書く人も、ネタも続かず、グーグル先生に翻弄され、検索ページの上位に来ることが最優先となり、記事作成も単なる作業と化す。なんか楽しくなさそう。
では本題。橘玲氏の著書をネタにプロブロガーとサラリーマンについて、そして与沢翼氏とイケハヤ氏について語る。
※とはいえ、2018年11月に入ってからイケハヤ氏も「ブログ、オワコン」って言ってたし、結局、サラリーマンの勝ちのようだ、やれやれ。
目次じゃ!
どっちが得?プロブロガーVSサラリーマン
アクセス稼ぐために自分のプライバシーを晒すプロブロガー
橘玲氏の『雨の降る日曜は幸福について考えよう』を読んだ。
2004年に出版されたエッセイ・コラム本だが、ちっとも古さを感じない、まさに『今』に通じる内容である。というか『きれいごと』では立ち行かなくなった今だからこそ理解できる話だ。
雨の降る日曜は幸福について考えよう Think Happy Thoughts on Rainy Sundays
- 作者: 橘玲
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2004/09/10
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橘氏はこの著書の中でこうおっしゃっている。
プライバシーというのは、いったん失えば二度と取り戻すことはできないという際立った特徴を持つ貴重かつ希少な資源だ。
匿名性は個人の生活に大きな利益をもたらすから、それを失うにあたっては、リスクを上回る十分なリターンがなければ帳尻が合わない。
私の場合、経済的利益も微々たるものなので、プライバシーという大きな財産を手放す気にはなれない。
作家・コラムニストとして多数の著書を出している橘氏、けっこうヒット作もあり、『言ってはいけない残酷すぎる真実』はかなり売れたようだ。
- 作者: 橘玲
- 出版社/メーカー: 新潮社
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そんな橘氏は、顔写真も載せないし、最低限の経歴(年齢、代表的な著作品)しか公にされない。『橘玲』はもちろんペンネーム。講演会、テレビ出演も顔を知られないようにするため断っているそうだ。応じるのは活字メディアのみ。自分のプライバシー・個人情報を守りたいために、そうしているとのこと。
たしかに、プライバシー・個人情報はとても大切なもの。
アクセス数をとりたかったら「顔写真をのせたほうがいい」「経歴を明らかにしろ」「誰が書いているのだか分からない匿名性の強いブログなんて読まれない」と指南するイケハヤ氏をはじめとするプロブロガーもいるけれど、よくよく考えてみたほうがいい。
顔写真、詳細な経歴を公表しているプロブロガーは多いが、自分の個人情報を明かしてまでのリターンを得られるのか?
おまけに自分の家族のことまでネタにしているプロブロガーもいたりするけれど、これは相当なリスクだ。
※特に女性の場合、顔を知られてしまうと、かならず容姿への悪口が出てくる。気にしないでいられる人は少ないのでは。心が消耗しそう。
組織の一員として経済的に守られるサラリーマン
またイケハヤ氏の影響を受けてか、サラリーマン的生き方を嫌う・サラリーマンを見下すプロブロガーの人も一部にいるけれど、そのサラリーマンについて、橘氏はこう言っている。
以下、要約文。
サラリーマンは、国から所得を把握され、予め、税と社会保障費を徴収され、不利な立場に立たされていることは事実。
が、会社や組織の一員として守られることで、大きな利益を得るケースはいくらでもある。経済合理的判断からサラリーマンの道を選ぶ人が多い。人よりもほんの少しゆとりのある生活をしたいというのであれば、(フリーランスという)リスクの高い選択をすることもない。
会社員といってもさまざまだが、橘氏のいうサラリーマンとは『倒産する可能性が低いであろう、未だ終身雇用の、ある程度の給与が見込める大企業』にお勤めしている人のことを指しているのだろう。
ただ橘氏は「サラリーマンも悪くはない」としながらも、こうも言っている。「経済的独立(国家や会社に経済的に依存しないこと)=自由を手に入れたい」と。
でも、これができる人って、ごく一握りの強者だけだろう。国家や社会・組織は『強者になれなかった大多数の人たち』のためにあるのかもしれない。
なんやかんや言っても国・組織の力は巨大。個人が太刀打ちできるはずもない。
国・組織=社会から完全に独立するなど不可能。できるとすれば国や組織との関わりを少なくすることくらいだ。その代わり、国・組織の保護はあまり受けられないかもしれないが。
日本の就業人口に占める割合はサラリーマンが圧倒的。
国は税や保険料を徴収するのに『所得が補足しやすいサラリーマン』に依存している。
国にとってサラリーマンが減っては困るので、それなりに保護しようと動く。つまり、サラリーマンでいるほうが得することもあるってことだ。
国や組織から独立する生き方が幸せをもたらすのかどうかは分からないが、サラリーマンでも脱サラでも、どっちの生き方もあり。それぞれ損得勘定でいけばいい。
「一人一人が利己的に行動することで社会全体の富が増大する」(アダム・スミス)
個人個人の損得勘定は悪いことではなく、社会が豊かに発展していく上でも必要なことだと説く橘氏はこのような言葉を残している。
市場経済は全ての評価を金銭に還元するきわめて平等なシステム。金を稼ぐ能力さえあれば、誰にでも成功の可能性は開かれている。
プロブロガーのメリット
ということで――前記事『フォロワー数で価値が決まる☆プロブロガー・アフェリエイター界隈の闇』ではプロブロガーについてネガティブなことを書いたが、個人で動けて、初期費用もなしで、時間をさほど食わずに活動できる効率性のよい仕事として挑戦してみる価値はあると思う。
たとえば、漫画家(主にストーリー系)を例にとってみると――
紙とペンさえあればOK、一見、経費はかからなさそうだが、商業誌での連載を考えた場合、アシスタント=スタッフの人件費はバカにならない。
その上、膨大な作業時間があるので副業は不可能。(4コマ・ショートは除く)
そして、原稿料だけでは生活は厳しい。はっきり言って赤字。単行本が出て、印税で黒字にできるかどうかという世界だ。
『稼ぐ』というその視点で見た場合、印税がたくさん入らない限り、漫画家稼業のコスパはおそろしく悪い。
その上『自由』もない。
物語を終わらせる権限も漫画家側にはないのだ。(それは編集部側にある)
内容も、クライアントである編集部が決めることもある。
効率よく稼ぎたいならば、自由が欲しいなら=自由に描きたいなら、漫画家を目指すのはやめたほうがいいかもしれない。
※詳細はここにて↓
同じく――作家・ライターも、ヒット作を連発するか、作品が二次商品化されない限り、さほど稼げない。
ただし、作家・ライターは(取材費はおいておいて)経費はほとんどかからない。特に人件費がないというのは大きい。漫画のような『時間のかかる作画作業』もないから、いわゆる二足のわらじ、副業が可能。
そして、これはプロブロガーにも言える。経費ほとんどなし、自由も利く。記事作成はそれなりに時間をとられるが、それはどんな仕事も同じだ。漫画の作画作業よりは時間は取られない。
手っ取り早く着手できる。副業可能。上手く行けそうならそのまま続けてみればいいし、失敗したとしても痛手はない。
たぶん、漫画家や作家で稼ぐよりは、プロブロガーとして稼ぐほうが可能性はあるかも。作品はブログの中で発表し、アクセス数を増やすことにつなげていけばいい。
ま、いろいろやりようはあると思う。
そこで、与沢翼氏の御言葉を紹介しておこう。
21世紀のビジネスの鉄則は、 「粗利が高い」 「インターネットを主軸に」 「24時間365日無休の業態」 「全国に商圏を持つ」 この4つの原則を満たしていることが必須である。 アフィリエイト・ビジネスはその意味で最強である。
で、そうやってある程度の資金を作った後はリスクを分散させながら投資にまわし、さらに稼いでいく。うまくいけば、サラリーマンの平均年収を超えることができる。もちろん、うまくいけばの話だけど。
学歴の価値がなくなっていく?
もし『会社に頼らず個人で稼ぐことができる人』が増えたら、一流企業への就職は必ずしも『成功者の道』でなくなるわけだ。
となると『一流企業・大企業に就職するためにできるだけ偏差値の高い大学へ進学する』という道も絶対的でなくなる。
高卒でも成功者になれる。そんな人が増えれば、学歴にこだわる人も少なくなるだろう。
公立の小中高ならば学費はさほどいらない。
塾だって行かなくて済むかも。公立高校の受験であれば、難問奇問は出題されない。
いや、もしかしたら高校だって行かなくてもいい? それよりも投資、税制、英語の勉強に集中したほうがいいかも。
そもそも高校や大学に行って勉強するよりも、稼げる方法を学びたい人のほうが多いのでは? 将来、役に立つとは思えない学科の勉強よりも、やる気が出るだろう。受験勉強に費やす莫大なエネルギーを『稼ぐための勉強(投資、税制、英語、その他外国語)』に回すほうが将来へつながるかも?
理系であれば大学での専門的な勉強はそれなりに価値があるが、文系はどうなのだろう?
こうして学歴社会が崩れれば、皆、勉強することについて、もっと真剣に考えるようになるだろう。
ちなみに莫大なお金がかかる音楽大学は、ワシはさほど価値はないと思っている。
楽器演奏の技術を得たいなら個人教授で充分。音大に行っても、結局、レッスンは個人教授だから変わりはない。その他の音楽専門教科(ソルフェージュ、音楽理論、和声学など)も個人教授でOKだ。先生はネットでいくらでも探せる。音楽史などは独学できる。
※ショパンについて知りたいならここをどうぞ。もち無料。ワシの漫画じゃ↓
演奏家になるなら、名のあるコンクールを受け、入賞を狙ったほうがいいし、先生になるなら、ヤマハやカワイなどの楽器店で資格をとればいい。音楽仲間がほしいならSNSでいくらでも探せる。
詳しくはここで↓
個人で稼ぐことが当たり前の社会になれば、学歴は必要なくなり、大学に行かなくてもいいのでは、という空気になっていくだろう。大学は本当に勉強したい人・研究したい人が行くところとなる。
個人が稼げるようになれば、それが当たり前になれば、社会は相当、変わるかも。その先駆けが与沢翼界隈・イケハヤ界隈で活動している若者たちかもしれない。失敗する人もたくさんいるだろうけれど。100人中1人成功者(生活が成り立つ程度に持続して稼げる)が出れば立派なものだ。
失敗した人は……どうしても生活が成り立たなくなったら、親元で暮らしバイトや非正規で食いつないでいくしかない。老後、扶養してくれる家族も資産もなく無年金者となれば生活保護を頼ればいい。ただ、その頃には生活保護を受給する権利を獲得するのは相当厳しくなっているかもしれないが。
与沢氏的生き方VSイケハヤ氏的生き方
ということで個人で稼ぐことを目指している『与沢翼界隈』『イケハヤ界隈』に注目しているのだが、両者の暮らしぶりは真逆。
都会的で華やかで派手な暮らしがしたい人は、与沢界隈へ。
田舎で家庭的・健康的な暮らしがしたい人はイケハヤ界隈へ。
ちなみにワシが目指すは『イケハヤ的な暮らし』かなあ。
便利で快適な生活がしたいので東京からは離れられないが、自然素材のゆったりした服で過ごしたいし、化粧もしたくないし、とにかく自然体でいられる健康的な暮らしがしたい。かしこまった場所でのおしゃれな高級料理よりも、くつろぎの家庭的料理が好き。都会的な遊びに興味はないので、中心街(渋谷や銀座、新宿など)にお出かけすることもない。イケハヤ氏も言っていたけど、これらは『消費する人のための街』だしね。食品と生活必需品以外、モノは要らないワシにとっては、どうでもいい街。人混みも嫌いだし。
なので、与沢氏のような豪勢で派手な暮らしには全く憧れない。おしゃれで華やかな生活って窮屈だしね。それになんとなく与沢氏の生活って不健康な香りが漂うんだよなあ。
いや、あくまでイメージね。実際のお二方の暮らしがどうなんだかは知らない。
※関連記事
橘玲氏の経歴
プライバシーを守るために経歴を明かさない橘氏だが、橘氏が今までどんな道を歩んできたのか、ほんのちょっと垣間見える記事があった。
『専業主婦は2億円損をする』あとがき – 橘玲 公式BLOG
以下、一部編集転載。
24歳で「でき婚」して長男が生まれました。共働きにならざるを得なかったのはわたしの年収が120万円しかなかったからで、ゼロ歳で公立保育園に入園させると、平日5日のうちわたしが朝の送りを3回、夜の迎えを2回担当にすることになりました。
いろいろあって、子どもが中学にあがるのを機に妻とは別々の人生を歩むことになりました。子どもはわたしのところに残ったので父子家庭になり――現在はパートナーと共働きしながら、お互いの仕事を調整して、年に3カ月は海外を旅行しています。
女子の生き方を説く『専業主婦は2億円損をする』も要チェックじゃの。
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- 出版社/メーカー: マガジンハウス
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ま、会社員としてフルタイムで仕事をしながらの育児は相当に厳しい。よほど環境に恵まれていないと無理だ。働きながらの子育ては、経済的に余裕があっても時間に余裕がなくなるわけで、収入の損得勘定のみで生き方を決められない。
つうか、女子こそフリーランサー、プロブロガー・アフェリエイターを目指したほうがいいかも?
ところで、橘氏の別の著書『言ってはいけない残酷すぎる真実』では「美人とブスの生涯格差は3600万円」と言っていたけど、『美人な専業主婦』と『ブスな専業主婦』でも違いはあるのだろうか?
プロブロガー(フリーランサー)とサラリーマン、ワーキングマザーと専業主婦、それぞれにプラス面とマイナス面がある。
どっちがいいかなんて分からない、好きなほうを選べ、悔いなき選択を。
サラリーマンが得する方法
貧乏はお金持ち──「雇われない生き方」で格差社会を逆転する (講談社+α文庫)
- 作者: 橘玲
- 出版社/メーカー: 講談社
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以下、『貧乏はお金持ち』(あとがき)より一部要約して転載。
日本の社会制度は『弱者』に有利なように作られている。『社会的弱者』は制度がもたらす恩恵をずっと受けてきた。
本書の提案はそれをサラリーマンにも開放しよう=マイクロ法人化して『零細自営業者・社会的弱者』となり国の制度を上手く利用しようということなのだが、それを不道徳だと抑圧してしまえば、既得権はずっと温存されたままだ。
特定の人にだけ分配された利権は政治的に強く守られているため、容易なことではなくならない。
こうした不平等を是正する効果的な方法は、政治や社会を声高に非難することではなく、より多くの人が利権にアクセスできるようにすることだ。
そうなれば、その制度そのものが維持できなくなるから、否応なく社会は変わらざるを得ない。
この国の閉塞状況を変えるものがあるとすれば、理想主義者の空虚な掛け声ではなく、少しでも得したいというふつうの人々の欲望である。
橘玲氏の著書『貧乏はお金持ち』には、税や保険料をしぼりとられている一般サラリーマンの合法的な節税方法が載っている。
また橘氏はこうも言っている――会社は、社員の生活を保証することができなくなっており、『終身雇用で安定したサラリーマン暮らし』は絶滅しつつある生き方であり、いずれこの世から消えていくだろうと。このへんはホリエモンやイケダハヤト氏と通じる考え方だよなあ。
何はともあれ、橘氏の著書はいろいろ勉強になる。おすすめじゃ。
※ほか、話題となっている橘玲氏の著書
幸福の「資本」論――あなたの未来を決める「3つの資本」と「8つの人生パターン」
- 作者: 橘玲
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
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幸福の「資本」論―――あなたの未来を決める「3つの資本」と「8つの人生パターン」
- 作者: 橘玲
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
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