これも何かの縁

ピアノとマンガの道を歩んできたハヤシのエッセイ・イラスト・物語集

ついに子なし税?☆子なし選択した山口智子・唐沢寿明夫妻☆子を持つリスクと発達障害

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『子どもなし世帯・年収800万円超で増税案 - 政府検討』というニュースが話題になっている。(ちょいと前には『独身税』が沸いていたっけ)

――って年収800万? 所得800万円の間違いでは?

だって漫画家の場合、週刊連載していれば原稿料だけで年収800万円はいくが、人件費など諸経費を引いたら赤字だぜ。
※詳しくはここを参照してくだされ↓

んで、子なし税の一番の問題は『不妊治療をしている人たちにとってはあまりに過酷だ』ということ。不妊治療はただでさえお金がかかるからね。

では『不妊治療をしている人は外す』とするのか?
となると、不妊治療をしている証拠を税務署に出して申告しろ、あるいはサラリーマンであれば会社に申告しろ、ということになる。

えええ? きわめてプライベートなことを申告しろと?

『子なし税』を持ち出したのは、自民党のおじいさんとおっさんたちだろう。自民党、大丈夫か? 日本、ますます少子化が進みそうだね。

ということで子なし夫婦、子育ての過酷さや発達障害、子を愛せない親、児童養護施設について語る。

目次じゃ!

子を持つリスクと覚悟

仕事人間は子どもを持たないほうがいい?

親業とは――子育てに失敗した時(=子どもが犯罪者になってしまった場合など)、親も責任を問われ、ややもすれば職も奪われ、何とリスクの高い過酷な仕事なのだろうと思う今日この頃。

子育ては本当に大変だ。
なので「子どもがいなくてラクでいいね」と言われるのも仕方ないかも。

不倫疑惑問題で騒がれた山尾しおり議員。彼女が取り上げた『保育園落ちた、日本死ね』が2016年流行語大賞トップテンに入ったとおり、未だ都市部では保育園待機児童であふれかえっているが――

そういやあ山尾議員も仕事人間だよな。幼い子がいるにも関わらず、夜も家に帰らず、不倫相手と疑われている弁護士と一夜を共にするほどに憲法についての勉強、議論をしていたそうだから。家庭よりも憲法。政治家の鑑だ。けど「母親としていかがなものだろうか」という意見のほうが大多数だろう。(後に山尾議員は離婚した)

フルタイムで普通に働きながらの子育てはやっぱり大変。
面倒を見てくれるおじいちゃんおばあちゃんがいないと成立しない気がする。

現実的に考えれば、女性は仕事か家庭かを選ぶことになるのだろう。
(男性が選んでもいいけど、レアケースだよな)
両立していたとしても、仕事をセーブせざるを得なく、家庭を優先することになる。夜中も仕事ができる山尾議員は極めて恵まれた環境にいる特殊なケースだ。子どもの面倒をきちんと見てくれる人がほかにいるのだろう。

世ではワークライフバランスが叫ばれているが、バランス悪い人は家庭は持たないほうがいいのかも?

イクメンが持てはやされるこの社会、男性に対しても「家庭を優先できない仕事人間はいかがなものか」「男性も家事と育児に参加を」「仕事人間はよくない」と問題にされている。

となると『仕事人』は、家庭を運営していくこと(子育て)にも向かないのかもしれない。それは男も女も。

仕事に生きたい人は子を持たないほうがいい。それが今の世間の考え方だ。

『家庭より仕事』のワーママは許されない

そこで、この記事を紹介しよう。

この箕輪氏堀江貴文氏の『多動力』などを手がけた有名な編集者)のインタビュー――「妻は完璧です。僕が全部悪いのです」「妻の言い分が100パーセント正しいです」を繰り返す箕輪さんにひっかかりをおぼえた。口だけ「僕が悪いんです」と軽くいなしているだけ。妻と真剣にコミュニケーション取ろうとは思っていなさそう、家庭にあまり関わりたくなさそう。

仕事人間の男性と結婚した女はワンオペ育児、覚悟じゃの。

ま、仕事人間は稼ぎもいいだろうから、お金さえ稼いでもらえればいいと割り切っている奥さんもけっこういるのだろう。

仕事を優先したい男性は『自分は育児はできないこと』『家庭は二の次になること』を予め結婚相手に覚悟させておかないとね。

↓そういえば若き富豪・与沢翼氏も結婚相手への条件として『自分の仕事を邪魔しない女性』を挙げていた。

※ほか与沢翼氏についての記事はこちら↓ 

ま、今現在の世間が良しとする生き方とは『仕事はほどほどに、結婚して子ども=家庭を持ち、仕事と家庭を両立させること』であり――
子どものことを優先する生き方が正しく、逆に子どもを優先できないのは、親として、いや人間としてあるまじきこと、とされている。

んで「男性はともかく、仕事を優先したい・仕事に生きたい女性は家庭(子ども)を持つ資格はない」という空気がある。

『子持ちだけど、家庭より仕事優先人間』は、専業主婦を配偶者とする高収入の男性だけに、かろうじて許される生き方なのかもしれない。

『仕事人間な母親』はどんなに高収入であろうと許されない雰囲気。そう、やっぱり日本社会は母親に厳しい。

山口智子唐沢寿明・幸せそうな子なし夫婦

そこでふと、子どもをあえて持たない生き方を選択したという山口智子を思い出した。

『11月22日・いい夫婦の日』が近いせいか、ベスト夫婦ランキングが新聞に載っていたが、山口智子唐沢寿明夫婦は4位だった。(1位は山口百恵三浦友和夫婦)

ほかにも子どもがいない夫婦が何組かランクインした。皆、夫婦仲良さそうだ。
経済的にも時間的にも余裕があるので、ギスギスせずに済むのだろう。

山口智子唐沢寿明夫妻も幸せそうに見える。
子どもがいなければ、仕事優先、趣味優先の生活も可能だ。

そして子どもがいないからこそ、夫婦でいる意味がずっと問われ、夫婦関係を大切にしようという意識が生まれるのかもしれない。

子どもがいると、どうしても子ども優先になり、子どもにほとんどのエネルギーをかけることになり、余裕もなくなっていくだろう。

「子どもがいてこそ家庭だ」「子どもがいなくていいなら結婚する意味はない」という意見も聞くけれど――だからこそ、結婚相手を選ぶ時にこんなことを考えてみればいいのではないか。
もしも、子どもができず、子どもがいない生活になる場合でも夫婦でいたいのか?

「子どもがいなければ夫婦でいる意味はない」と感じたら、その相手とは結婚しないほうがいいかも。

子が欲しくてできなくて辛い思いをしている人もいるだろうけれど、子がいない幸せも充分あり得る。

ま、子どもをあえて持たない、いらないとする人に対し、「人間として冷たい」「自分勝手」「偏っている」と見る人も、けっこういるようであるが――

そもそも『自分勝手で冷たくて偏ったおかしい人間』は家庭(子ども)を持たないほうがいいよな。

うん『偏っていないバランスがいい人間たち』で、未来を築いていけばいいとも思ってしまう。
『偏っていないバランスのいい両親』から生まれる子供も、親の性質を継ぎ、偏りのないバランスのいい人間になるだろうから。
いずれは世間が理想とする『バランスがいい人間たち』で構成される『バランスいい社会』になるに違いない。(って、なんだか優生思想みたいだけど)

発達障害児児童養護施設・子を愛せない親

山口智子といえば以前、こういった記事があった。

「産めるうちに産んでおけ」が世間の声。自分の意思で産まない「選択子無し」はエゴイストと囁かれて立場が弱い。
そんな中、子どもを持たない人生を選択した山口智子は、こうキッパリと言い切っている。「私はずっと、子供を産んで育てる人生ではない、別の人生を望んでいました。人それぞれ、いろんな選択を持っていいはず」

「産んでからの後悔」については誰も語らない。
産んでから後悔が発生することはあり得ないのだろうか。そして万が一あったとしても、そこは誰も責任を取ってはくれないのである。なぜなら子どもを産むという行為そのものこそが、無条件で「良いこと」とされているからだ。

『産んでからの後悔については誰も語らない

――たしかに。それは禁句だ。
それを表にして語ったら、それはもう酷いバッシングを受けるだろう。
けれど、ネットなど匿名性の高い場では、そういった本音が聞けたりする。

そして、もうひとつ気になったのが――子どもを持つことを日本社会のために。未来の納税者を育てている』と考える人がいること。

自分のところには健常児が生まれ『普通に育つ』と無邪気に信じているんだろう。

しかし、子を持つなら、まず障害を抱えた場合も考えないとね。
障害を抱えた子供を責任もって育てる覚悟があるかどうか、これが一番重要。

その覚悟が持てないなら、子どもは産まない、つくらない、持たないほうがいい。
※『つくる』『持つ』という言葉は使わないほうがいいだろうが、適当な言葉が見つからない。

なので「産めるうちに産んでおけ」「なんとかなる」という平和ボケ的な意見には反対。夫婦共によくよく考えるべき。

ダウン症などは出産前に分かることもあるけれど、出産後に初めて分かる障害もある。発達障害はその一例。率も多いし。聞くところによると6.2%だ。軽いものも入れれば1割いくかもしれない。

もちろん、障害のある子を抱えても、家族一丸となって、協力し合い、家族愛で解決しているお宅も多いだろうけれど、中には、ダンナさんが逃げてしまい、お母さん一人が抱え込み、辛い思いをするケースや、あるいはどうしても子を愛せないと悩んだりする親御さんもいるようだ。

母親やめてもいいですか

母親やめてもいいですか

そして……あげくの果て、育てられず、施設に預ける場合もある。

児童養護施設にいる子たちの中で、孤児は1割にも満たない。ほとんど親(両親、片親)がいる。
虐待で保護される子も多い。

ついこの前、児童養護施設にいる子どもは3万人と聞いたけど、朝日新聞によると4万6千人になっていた。
※自立支援施設=教護院、児童相談所の一時預かりの数も含まれているのかもしれない。

で、その中の2割が発達障害など『障害がある子』だという。

施設に預ける親の事情は人それぞれだけど、障害を抱えた子は育てられないとして、施設に預けてしまう(捨てる)場合もあるのだろう。
それでも虐待するよりは、施設に預けるほうが、まだマシなのだけど。

障害を抱えた子を育てる親のほうも辛い。
「親よりも先に死んでほしい」と願ってしまうのだ。
心配で障害のある子を遺せない。

発達障害の場合、職に就けず自立することが難しく、しかし公の支援はほとんど受けられない。将来に希望など持てない。それが現実。

それでもまだ心配してくれる親がいれば、まだいい。
親から見捨てられた児童養護施設にいる発達障害の子は、18歳になったら施設を出て自立をしなくてはいけない。施設から追い出された後、最悪、犯罪に巻き込まれたり、あるいは犯罪に利用されたり、過酷な人生をたどる。

なので、発達障害含め、障害を抱えた子を育てる覚悟があるか、これは本当に重要な問題だと思う。
とくに男性は、そういうこと、あんまり考えないだろう。

だから男性にも問いたいのだ。障害を持った子が生まれた場合、奥さんと協力して最後まで責任もって育てる覚悟があるのか、それでも子どもが欲しいですか、と。もちろん家庭最優先の生き方をしなくてはならなくなる。

そう、男性の中には、奥さんと障害児を捨てる人もいる。
捨てるまでいかなくても、家にあまり帰らない、仕事に逃げる男性もいるだろう。

聞くところによると、障害児を持った夫婦の離婚率は、健常児を持った夫婦の6倍だそうだ。

おおかみこどもの雨と雪』に登場する聖母

こういった話題になると、いつも『おおかみこどもの雨と雪』に出てくる聖母な主人公・花を思い出す。
辛い時も笑顔を絶やさない花さん。愚痴も吐かない。ほんとうに立派なお母さんだ。

子育てをちょっとでもネガティブに捉えるお母さんを非難する人は、花さんみたいな人が理想の母親像なのだろう。

そう、花さんは、すぐにダンナを亡くし、双子のワンオペ子育てに奮闘するけれど、愚痴も言わず、子どもに当たったりすることもなく、常に子どものことを考え、自分のことよりまず子どもを優先し、自分が犠牲になることをいとわない。朝から晩まで働きづめで、耐え忍ぶ生活をこなすのだ。

ただ、あまりにも聖人(聖母)な花さんに『人間味』を感じることができず、ワシはあまり感情移入はできなかった。

人間そう強くはない。
いや、強い人間でないと、親になってはいけないのかもしれないが。

だからこそ、子どもを育児放棄したり虐待せずに責任もって育てている人はもっと尊敬されていいのでは、と思う。
当たり前のことではなく、とても『偉い』ことなのだと。

無痛分娩と自然分娩

出産においても、痛みに耐えてこそと女性に負担を求める空気がまだ残っている。日本では無痛分娩はまださほどポピュラーではない。

ちなみに無痛分娩は局所麻酔で行われるので、子どもは麻酔の影響は全く受けない。リスクについては、自然分娩と比較しても、とんとんだ。

痛みに耐えるお産を美徳とするその空気=子どものために母親が犠牲になるのが当たり前という空気も、少子化の原因かもしれない。

無痛分娩の事故もニュースにはなるが、専門の麻酔医がいないなどシステムの問題が大きい。

保育園や病児保育園のほか、無痛分娩できる産科、小児科の病院も増やさないとね。そういった施設や携わる専門職員の数があまりに少なく、女性らは苦労している。

日本は子育てするには過酷な社会。そりゃあ、少子化が進むだろう。

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