前記事『キャラの死☆切ない系の物語を紹介』でも『宇宙戦艦ヤマト』について触れたが――さらに『ファーストガンダム』『エヴァンゲリオン』を加え、もう少し語ってみよう。
目次
作品が商品になった『宇宙戦艦ヤマト』
昔はヤマトの熱狂的なファンだったっけ。
あの頃のアニメやマンガにはそれほど詳しくないけれど――
この作品からではないだろうか、主人公とほとんどの主要キャラが一度死んだのに(『さらば宇宙戦艦ヤマト』のことね^^)、人気があったため、続編を作るため『死』をなかったことにしたりして、興ざめさせるようなことをし、作品が終わるべきところで終わらず、ご都合主義で人気がある限り続けさせる、というようなことをしたのは。
作品を『単なる商品』としてしか扱わないから『前作をなかったことにする』なんてめちゃくちゃなことができたのだろう。
まあ、「パラレルワールドだ」ということにすれば――
「主人公や主要キャラは、こちらの世界では死んでいるが、あちらの世界では元気で生きている」「主人公たちは、パラレルワールドでは違う運命なのである」として『前作と同じキャラが出てくるが、前作とはつながりない続編』もありかもしれないけれど。
こういうのは、よほどうまくやらないと『夢オチ』と同じで、やはり興ざめしてしまう。
ここいらはRPG『クロノトリガー』と『クロノクロス』の関係を思わせるよなあ。
※『クロノトリガー』と『クロノクロス』については↓こちらで熱く語った。
つまり制作側が『作品』を『商品』としてしか見られなくなり、終わらせるべきところで終わらせず、商品として利用し尽くすやり方――ワシの記憶では『宇宙戦艦ヤマト』が最初だった気がする。
また、キャラクターデザインをした松本零士氏とプロデューサの西崎義展氏の間にはいろいろあったようだ。
が、二人の関係は、あくまで西崎氏が主で松本氏が従――松本氏は西崎氏に起用されたスタッフの一人に過ぎず、最終的に内容の決定権を持っていたのは西崎氏だった。そもそも、原作があってアニメ化されたのではなく、アニメが先で後に松本氏が漫画化したわけで、この作品は西崎氏のものということになっている。
詳しくはココを参照→宇宙戦艦ヤマトの「原作」について
リメイク版『宇宙戦艦ヤマト2199』では、松本零士氏のクレジットはなく――それは松本氏が自らクレジットする事を拒否をしていたからだという話を聞く。
ま、こういったいざこざもあったため、余計に「なんだかなあ」という気分だ。
ちなみに著作権者である西崎プロデューサーについては↓ここが詳しい。
『ヤマト』を思い出すと懐かしいというよりも気恥ずかしい。
けど、当時『ガンダム』も好きだったけど『ガンダム』は別に恥ずかしくない。(ちなみに『ファースト・ガンダム』しか知らない^^;)
『ガンダム』は恥ずかしくないけど、『ヤマト』は恥ずかしい。この差は何なんだろう。
『あしたのジョー』と『巨人の星』みたいなものか……。
そう――『巨人の星』は今ではギャグとしてしか見られず、真面目に見る気はしないけど、『あしたのジョー』は別にそうではない――ワシの中ではそんな感じだ。
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女性キャラがカッコかった『ガンダム』
『ヤマト』の後に出てきた『ファースト・ガンダム』。初めのうちはアムロ君がちょいと主人公らしくない……ということで、そんなに夢中になれなかった。
けど、友人がはまっていて、だんだん影響を受け、気になる作品となっていった。
今まで、アニメといえば「まず主人公を好きになれるかどうか」だったけど、 ガンダムは「主人公はどうでもいいけど、他のキャラが良い♪」ということで注目したアニメ作品だ。
ちなみにワシはセイラさんファンだった。
そう、セイラさんはガンダムを操り、ミライさんは操縦士、マチルダさんも指揮官ということで、男性と肩を並べる女性キャラのカッコよさにほれた。
対して『ヤマト』の森雪をカッコいいと思ったことはない。戦闘においては、やはりオマケという感じに捉えていた。
うん、たくさんの女性キャラが男性に混じり、同等に活躍した戦闘アニメ作品って『ガンダム』が最初なんじゃないだろうか。
で、コスチュームも男性と同じで、ヘンに体の線を強調したり、ミニスカートをはき、足を丸出し、なんてこともなかった。(あ、フラウ・ボウは違ったっけ?)
女性キャラがカッコよく描かれたアニメは、ワシにとって『ガンダム』が初めてだった。
それまでの戦闘系アニメでは、女性キャラは単なる華、男性キャラのお手伝い的存在、ひどけりゃ足手まとい、というような感じ。
そうそう、唯一『キューティー♡ハニー』だけだよな。女が戦闘の中心的存在であったアニメは。(けど、こちらは仲間はおらず一人で戦っていた)
まあ、とにかく『ファーストガンダム』は新しかったのだ。
で、アムロ君は今でいう草食系だと思うのだけど、当時のアニメで『草食系男子が主人公になる』というのは本当にめずらしかったのでは、と。
当時の感覚では、主人公としてアムロ君は相当のへタレに思えたけど――
後々「なんで僕が闘わないといけないんですか?」と言って駄々をこねる『エヴァンゲリオン』のシンジ君に較べれば、なんのなんの――アムロ君、立派である。
(というか、シンジ君の感じ方が当たり前だし、逃げたくなるのが当然だよな、おまけにまだ14歳なんだし……と今なら共感できる部分あるんだけど^^;)
ところで、ほかの皆は「シャアがいい」と言うけど、私はシャアは好きでも嫌いでもなかった。すかした奴ということで、好きになれなかったというほうが正しいか。
それよりも「ヘンな仮面かぶっているな」と、当初は『ヘンなキャラ』という認識であった。仮面をとるとイケメンだけどね。『メガネをとると美人』ってヤツ?
うむ、イケメンがヘンな仮面かぶっているというところも新しかったよなあ。
器用で最低な男ゲンドウ・『エヴァンゲリオン』
『エヴァンゲリオン』もいろいろとコミック版、テレビアニメ版や旧劇場版、新劇場版とあり、パラレルワールド化しているよな。こっちの世界では死んでいる人が、あちらの世界では生きているし、話の内容も違ったり、新キャラが出てきたり……いや、もう『ヱヴァンゲリオン』となり、序・破・Q……ついていけなくなった^^;
そんなワシはコミック版が一番好き。
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テレビアニメ版や旧劇場版の主人公シンジ君にはちょっとイラついたけど(でも14歳だから仕方ないよね)、コミック版のシンジ君にはわりと共感してしまうところもあり、そんなに軟弱にも見えなかった。
キャラの心理描写が、アニメ版や旧劇場版に比べて丁寧なので、感情移入できるところも多い。
※でも、謎はそのままである。そこはアニメ版や版劇場版と同じだ。
逆に、周りの大人たちが14歳の子どもに対し、ちょっと要求厳しいんじゃないの?と思った。
アマゾンのレビューにもあったが、友だちを見殺しにしたカジさんの「自分は幸せになれない。なっちゃいけない」という人生観を、カヲルを殺さざるを得なかった14歳のシンジ君に押し付けるのは、あまりに酷である。
「自分の道は自分で決めなさい」「誰の力も借りずに一人で答えを見つけなさい」という最期のミサトさんの言葉も、14歳の子どもには厳しいかも。
ま、ワシが14歳の時を考えてみれば……「自分の道は自分で決めろ」と言われても、とまどい、誰か大人の導きがないと決められなかったよなあ。だから、14歳のシンジ君はかなり立派だ。立派すぎると言ってもいいだろう。
それに較べて、ゲンドウって最低だな。テレビアニメ版でも劇場版でもコミック版でも。
コミック版では、息子シンジ君が生まれたことで妻のユイさんの愛情がシンジ君に向くことが妬ましく、それを息子シンジに告白。父性のかけらもなく、単なるお子様である。
それにさ、ゲンドウって『不器用』ではなく、とても器用な人間だ。人間関係も器用にこなす。だってユイさんやリツコ親子など女性らにモテまくり、冬月先生を仲間にし、リツコ親子を利用し、ネルフの頂点まで出世できたのだから。
ゲンドウは不器用な人間ではなく、単に最低な男。それだけ。
ユイさん、ゲンドウのどこに惚れたんだ?
ゲンドウが『かわいい人』とは、とても思えない。
利用しているリツコ母を、陰で「バアさん」呼ばわり。
父親としての役割も果たさない。
もう、男としてというより、人間として最低。
いやあ、ずるがしこく、腹黒いキャラ……けっこ好きなんだけど、ゲンドウはなあ……なんか違うんだよな。やっぱり「自分のためにがんばってくれている人を嘲り、人間として最低なことをしている」からだろうなあ……。
ま、それはともかくとして――新劇場版・序破Qの次の『シン・エヴァンゲリオン』、やっぱり気になります。『ヱヴァンゲリオン』だったのが、また『エヴァンゲリオン』に戻り、『シン』っていったい何?
ということで↓皆の考察が熱いようだ。
なお『エヴァンゲリオン』についてはこのサイトが参考になる。