これも何かの縁

ピアノとマンガの道を歩んできたハヤシのエッセイ・イラスト・物語集

オタクの権利とパンティのシワ☆エロ漫画について語る

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エロ漫画について語る。ちなみにワシはパンチラが一番好き。

目次じゃ!

エロ漫画について

『夢をかなえるゾウ』よかったよなあ。ワシは『1』と『3』が好き。笑えて、意外と感動する。水野敬也氏のギャグセンス、言葉の選び方、なかなかだよなあ。

夢をかなえるゾウ文庫版

夢をかなえるゾウ文庫版

夢をかなえるゾウ2 文庫版

夢をかなえるゾウ2 文庫版

夢をかなえるゾウ3

夢をかなえるゾウ3

――と、その『夢をかなえるゾウ』の水野敬也氏がエロ漫画とオタクについて語っていたのだが、オタクへの言いがかりとしか思えなかった。まずはそれに対する反論を述べる。

オタクがエロ漫画をダメにした?

僕が死ぬ前にどうしても伝えておきたいこと|水野敬也オフィシャルブログ

まず、俺ね、何が嫌いって、オタクが嫌いなんですよ。いや、ここで言うオタクは「一つのことに集中して周りが見えなくなる人」じゃないんです。

僕が嫌いなオタクはね、現実での経験を放棄している(逃げてる)くせに、キャラクターを語ろうとする者たち。
これを通常のオタクと区別して、「引きこもりオタク」(引きオタ)と呼ぶことにしましょう。

こいつらが、もう、本っ当っっっに、モノづくりをダメにしてる。

こいつらは、「現実」の経験から逃げてるから、生身の人間がどういう反応をするか、リアクションをするか、そのことがまったく分かっとらんのです。

だから、エロ漫画の世界っていうのは、もう本当に終わってるんですよ。

「アヘ顔」なんていうのが流行ったりね。女はセックスのときそんな顔しねーんだわ。
でも、現実を知らんから、そういうのに興奮できてしまう。

つまり、幼いんです。現実の洗礼を受けてないから、精神的に幼い。

だから、ネットに投稿されてるアニメとかね、引きオタが作ってる作品っていうのは本当にクソなんですよ。地球上に存在しない女を描いてるんだから。存在しないものを描いてもリアリティがないから。

そして、エンターテイメントはいかにうまくウソをついて客を世界に引き込むかが全てであって、その「リアリティ」を失うんだとしたら、もうそれは作品として成立するはずもないんですよ。

もうね、そういう人が、ピクサーの作品とか「アニメ」という枠組みで好き勝手に評論しないで欲しいんです。

う~ん「引きオタが作っている作品はクソ」って趣味なんだから好きなように自由に作る権利は誰にでもあるし、アマチュア相手に目くじら立てなくても……。

プロの作り手であれば、そこに必ず編集者などの他者のチェックが入る。売れるか売れないかが全て。それは最終的に買い手である読者が決めるのだ。

買い手が『引きこもりオタク』だから、モノづくりをダメにしている?

ならば作り手は一般人をターゲットにして、たくさん売ればいい。『引きこもりオタク』よりもはるかに一般人のほうが多いのだから、一般人に受けるものを作ればいいのだ。

モノづくりをダメにしているんだとしたら、それはプロが悪い。『引きこもりオタク』は全く関係ない。

そもそも彼らが趣味で作っている作品がクソなら、見なきゃいいだけの話。もし、お金取っているなら、二度と買わなきゃいい。

『引きこもりオタク』にだって一般向けに作られた作品を評論する自由がある。

もち、そんなオタクをディスる自由もあるし、無料であれ作品を公開しているんであれば、それを「クソだ」と批判する自由もあるんだけどね。

でも「モノづくりをダメにしている云々」は関係ない。プロが作った作品を評論する権利は万人にある。

リアリティが大切なのはもっともだけど、妄想の世界に引きこもるオタクが害悪で何の権利もないかのように言うのはおかしいぜ。彼らは彼らで好きなようにやっている、それだけのことだ。

ちなみに現実逃避することも、生きていく上でのひとつの自己防衛手段だ。生活が維持できるのであれば、逃避してもいいと思う。もちろん『引きこもり』もありだ。そういえば、アニメ監督の山本寛氏も「アニメがダメになったのはオタクのせいだ」と言ってオタクを嫌っているっけ。はっきり言って、アニメがダメになったんだとしたら、それは製作側が悪い。消費者であるオタクのせいにするなんてプロのクリエイターとしてカッコ悪い。

エロ漫画作品・ハヤシの過去

――と、水野氏のこのエロ漫画について書かれたブログを読んで、ワシもエロを描いたことあったっけ、と遠い目になってしまった。

実はワシは……別名義でエロサスペンス読み切り漫画をヤングチャンピオンにて3本描いたことがある。(※ヤングチャンピオンは隔週誌・男性をターゲットにした青年誌だ)

当時『サークルゲーム』という村生ミオ氏の連載漫画が大人気だったので、人気を取りたかったワシはがんばってみた。その前に『スカイプレイ』というハンドボール漫画を連載したのだがコケてしまったんで、人気が取れそうなジャンルに挑戦したのじゃ。

そして、ネタを考えていた時に、痴漢にあった。……それは神の啓示だったのかもしれぬ。
転んでもただでは起きないケチなワシは、黒い気分を引きずりながら『痴漢』をネタに、エロサスペンスとして読み切り用のネームを切った。担当編集者は大変気に入ってくれて、編集長のOKもいただき、掲載となった。
で、読み切り作品としてはそこそこ人気が取れたので、また同じようなテーマ=エロサスペンスで描くことになった。

黒い心を維持しながら、えげつない話を作り、ネームを切った。担当、編集長のOKもとれ、また掲載され――そんな感じで3本描いた。
物語の結末は3本とも大変、後味悪く、救いなし。キャラが悲惨な目に遭うエログロ漫画だ。

そこそこ人気が取れたので、担当さんは「じゃあ、このタッチで読み切り形式で連載企画を起てようか」と言ってきた。

が、当時のワシは連載で描く自信がなかった。サスペンスを1話1話の読み切りを隔週で描くなんて無理じゃ~。しかも当時、アシさんなしで一人で描いていたし。

それにキャラが悲惨な目に遭い救いなく終わる物語を描き続けていると心が荒んでくる。3話描いた時点ですでに疲れてしまっていた。キャラを愛せない話は長続きしない。
で、結局、ぽしゃってしまった。

エロ漫画の極意・パンティのシワ

ちなみにエロを描く時、ワシはパンティのシワにこだわるようにしておる。

けれど……男性マンガ家が描くパンティのシワと、ワシが描くパンティのシワは、どこか違う。それはもうパンティに対する情念の深さが違うからなのか……エロくならないのだ。

では、トランクスやブリーフなら念を込められるのか、といったら、それもできない。

パンティを頭にかぶったり、変態仮面のように顔にかぶったりしても、いまいちのれないのは、まあ当然だが、トランクスやブリーフを頭や顔にかぶったところで興奮するかというと、やはりそうでもない。

というか、そんなこと、どうでもいい。きっと、そこが男性作家との差なのだろうな。

いや、実は男性もパンティを頭や顔にかぶっても、さほど興奮しないのかもしれないが。

要するに、パンティのシワに念を込めることができるか、その念が読者に伝わるのか……それがエロの極意、とワシは思っておる。

ちなみにスキャンティショーツという響きは、いまひとつ……やはり『パンティ』という響きに敵わない気がする。

そう、パンティがないエロなんて、ワサビがない鮨のようなもの。物足りないこと、この上ない。で、やっぱりパンチラが一番。

※ほか、ハヤシのマンガ話が載っている記事↓

水野敬也氏についてはこちらの記事でもネタにした↓